旧本田家住宅

俗に田の字型と呼ぶわが国農家の基本型は、 居住部分の田の字型に仕切られた四室と作業空間の土間とからなりますが、その四室の土間寄りの二室の間仕切(まじきり)を除いて一室にした、 いわゆる三間取りの平面をもつ、県下最古の民家遺構と考えられています。

建築年代については、記録等の証すべきものはありませんが、本田家は明和年間(1764~72)にはこの地に定住しており、この建物もそれより時代が下がっても遠くはないと推定されています。木割が大きく、小屋は叉首(さす)組み、棟束(むなづか)は立ちません。
かや葺き大屋根の葺き卸しに、錣(しころ)葺きのひさしがすがり、これを「ももづき」葺きと呼び、内部に竹簀子(たけすのこ)の床があります。
錣葺き…兜の錣のように屋根の流れ面が途中で屋根勾配が1段下がり、全体として2段となっている屋根の葺き方。

住所:長崎県長崎市中里町1478番地
電話:095-829-1193 ((長崎市文化財課))